アフリカの蹄

アフリカの蹄 (講談社文庫)

アフリカの蹄 (講談社文庫)

南アフリカでの人種差別社会で絶滅したはずの天然痘が流行する。黒人のスラムだけで流行する天然痘南アフリカの極右団体が組織的に流行させたものだった。ねらいは黒人のスラムを強制移住させること。
スラムでの診療をしていた日本人留学生は、天然痘の流行、差別、極右団体との闘争に巻き込まれる。

アパルトヘイトが行われていた南アフリカの状況が少しイメージできた。
●白人でもなく黒人でもない日本人である主人公が、一個人としてスラムの医師や恋人、患者との交流を通して最終的には共に命がけで差別に立ち向かう姿が印象的だった。個人との向き合いを通したからこそ巨大な課題に取り組むことができたのではないか。